FROM FRONT フロントより

すんと、雪景色。
札幌は、
昨夜から雪が降り続けました。
カーテンを開けると
オレンジ色の朝陽に
真っ白な景色が照らされていました。
ああ、美しい。
冬がやってきたんだね。

そうそう
鮮度が下がると感じることって
あるもんなんですね。

先日、
久しぶりに回転寿司に行きました。
その日はカウンター席で
隣のカップルが
ぜんぜん食わねえで
はなしばかりしているんです。

寿司1貫、皿に残したまま
積み重ねた皿の上には、
手をつけていない寿司2貫。
カフェでティーしてるみたいに
ずっとはなしているんです。

食べ方は自由だとしよう。
だから、気を揉まないようにしよう。
ぼくは、寿司をおいしく食べたい。
久しぶりの回転寿司、楽しみたい。
そう思って
立ち入らぬようにしていたんですが
まあまあ
会話が耳に入る。
声がでかいんだ。女の。
やたらうなずいて
否定も肯定もしない男の声が
うわずっているんだ。

目の前のネタに集中しよう。
気持ちを整えていたところ
はっきり耳に入ってきた。

仕事をするために生きているわけじゃない
生きるために仕事をするのだとしても
せっかくなら
好きなことをしていたい。
だから
わたしは
ギャルをやっている。

思わず、
その大きな声の発信元の方向を見た。

ギャル?

ギャルなのか。

ぼくにはわからなかった。

ギャルとは
概念なのか。

これはルッキズムとか関係ない。

立派な信念をもって
わたしは
ギャルをやっているという人がいてもいい。

ギャルが職業かどうかさておき
ギャルは
ギャルだと思えばギャルなんだから
ギャルと名乗るのは自由だけど
ギャルって……。

ひとことで言うと
「よく言うわ」だ。

あつかましいは、お恥ずかしい。

シャリを落としそうになった。
そして、
おいしいお寿司の
鮮度が下がったと感じた。

ひらたく言えば
メシがまずくなった。

そんなこともあるんだ。
損も得もないし
そこにこれといった感情はないのだけど
感情と体感との関係についての
実体験としてのメモリが
増えたような気がしました。
少し。

少し
満たされていない。
寿司でも食い行っか〜。
今日もごきげんでありましょう。