from.Sapporo

Studio memo フロントより
  • (タイトルなし)

    ファストフード店でのこと。

    どんぶりを食べ進めていたら
    髪の毛が入っていたんです。
    器の内側サイド
    ご飯がなくなった箇所から
    短めの髪の毛が出てきた。

    ほほう。
    そして、
    すっと、
    店員さんに言ったんです。
    すみません
    髪の毛が入っていましたと。

    これ
    それがどうしたと思うかもしれません。
    でも、
    自分にとっては
    よくやったと思っています。

    前ならこうです。
    髪の毛が入っていた。

    なぜ?自分がこんな目に。
    だいなしだ。
    許せない。

    この気持ちを押し殺して
    店員さんに言う
    もしくは我慢することを選択していたはず。

    もちろん
    せっかくおいしく食べていたのに
    髪の毛が入っていることは
    残念ですし、怒ってもしょうがない。

    ぼくは
    そこで気持ちを抑えようとしていた。
    で、心の中は猛烈に不機嫌だらけ。
    店員さんに言うと
    揉めごとになったら嫌だな
    疑われたり
    キレられるんじゃないか
    そんな、不機嫌を前提に
    トラブルありきの状態だった。

    過去には
    本当に逆ギレな態度をされたこともあるし
    そんな思いをするくらいならと
    言うのを我慢したこともある。
    この店を選んだ自分がわるいと
    言い聞かせたこともあったくらいだ。

    今回は
    何が違ったかというと
    わかったんです。
    自分が残念だと
    自分が悲しいと
    そこからムカついているんだと
    理解したんです。
    ああ、ぼくは
    だいなしにされた気持ちなんだと。
    そうかそうかと声を聞いたら
    ただ、それをわかってあげるだけで
    それはそうだ。
    ムカつくよなと会話ができた。

    そしたら
    すっと言えたんです。
    ただ、言うだけだった。
    そこに何ものせずに
    髪の毛が入っていたことを
    お知らせしただけだった。

    店員さんは
    とても真摯に対応してくれた。
    ご飯を最初からの
    盛りにしてくれようとしたので
    気持ちだけいただいて
    食べ進めた残りの量くらいにしてもらった。

    ただ
    ぼくは
    ぼくの心は
    ぼくに聞いてほしかったんだ。
    それはずっとずっと前から。

    ただただ、わかってあげる。
    それだけでいい。
    その先のことは、まず置いておけ。
    それだけで、救われることがある。
    それを心から受け止めたとき
    自ずと答えが出る。
    正しいとか正しいとかではないから
    その選択さえも愛しく思える。

    恥ずかしいけれど
    ぼくはそれが
    今までできなかった。
    できなかっただけではなく
    できていると思っていた。
    なんなら
    誰よりもできていると自負していて
    できていない人を見下していた。

    ゲボが出るほどウンコ野郎でしたと
    認めたとき
    それほどまでに
    のたうちまわっていた自分が
    めんこいとも思いました。
    これからは
    この可愛いやつと
    もっともっと
    会話をしていきたいと思います。

    問いはすべて、
    日常のなかにあるんだね。

    今日もごきげんでありましょう。

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