ととのうって
調和だったんだ。
大丈夫。
急にどうしたと思ったことでしょう。
週末にね
温泉に行って
気づいたんです。
最近、めっきり
好きになった温泉があって
そこは
なんもないんです。
内湯と洗い場と露天。
あとは、自然。
でね
これだけなのが
これだけでいいってわかった。
露天から山と川が見える。
お湯の音
川の音
風の音
鳥の声
そして、目を閉じる。
露天風呂にしては熱めの湯。
熱くなったら上がる。
風をあびる。空気をまとう。
冬のそれはただただ冷たい。
自然の音に入り込む。
すうっと力がいらなくなるような
あたたかい感覚が体をめぐる。
そうか。
ここにサウナが足りないのではなく
ここにサウナがいらないのか。
必要ないんだとわかった。
そして
「ととのう」の
本当の意味が
「調和」だと理解した。
自然と自分との調和だ。
雪景色だった。
初めてみるかのような
いつか見たことがあるかのような
時間が止まったかのような
大地から雪が湧き上がっているかのような
ゆっくりと
はっきりと雪が降っていた。
美しい。
湯上りの食堂で食べた
ちゃんぽん麺が激うまだった。
今日もごきげんでありましょう。
FROM FRONT フロントより