FROM FRONT フロントより

雪どけが早いなあ。
今年はそう感じます。

道路に積もっていた雪山も小さくなり
そのふもとは
意図されていない曲線になっています。
その曲線の先端ラインは
氷混じりの雪で
徒歩からの角度で見ると
波打ち際のように感じます。

風は少し冷たく
心地いいいけれど
波打ち際を歩くのにはまだ早い。

そのとけかけた際のあたりを
思いきり足で踏んで
割り進む気持ちよさ
ああ、たまらない。

そんなことを
ふと思いながら
こんな脈略のない
ふとしたことは
考えようとして
ひねりだしたものではなく
限りなく「ふと」なんだよなあと
これまた脈略のない思考を
決着もつけずに歩いているのが好きです。

そんなことは
たいてい脳内でひとり考えているもので。
誰にもわからなくていいと思っています。
あきらめや
やさぐれているわけでもなく
そっと静かなひとり遊びの領域として
ふわっと守っていたい感じです。
鉄格子でガードするのではなく
うすく肌触りのいい布で仕切るような。

共感を得ず
わからないと言われても
とりわけさみしくはない。
むしろ、スッキリするくらい。
茶化されたり
あしらわれたりすると
ちょっとかなしい気がする。
そして
それは子ども心とか
ロマンチックとか
そういうものでもなく
もとからそうで、
これからもそう。

でも
こんなどうでもないことを
手に取ったボールを返す感覚で
わかってくれたら
とびきりにうれしいものだと思う。

どうでもいいことで
大半を占めている
この自分という生き物は
微細な思考の集合体でもあります。
こむずかしく言いそうになったけど
やっぱり、それはきっと
本当にうれしいものだと思います。
もちろん
その喜びは
人によっていろいろでしょう。

たまたま。
たまたま持ち合わせてたもの
ポケットから出したら
なんかほぼ一緒じゃんみたいな喜び。
わかちあえたらラッキー。
そんな感覚を大切にしたいなあと思います。

裸足で草原を歩きたい衝動。
今日もごきげんでありましょう。