FROM FRONT フロントより

札幌は風は強かったものの
暴風雪とまではならず
明けておだやかな朝陽を迎えました。

光にあたたかみを感じる。

最近乗るタクシー
おしゃべりを楽しむ運転手さんが多いです。
皆さん、ベテランな方です。
昭和な感じがまたいい感じ。

で、まあなんとなく
天気の話題なんて出るじゃないですか。
「つかみ」というか
ファーストコンタクトみたいな。
ただの天気の話題でも
これ人によってぜんぜん違う。
本当に会話を楽しみたい人は
ついでのような天気の話題が
その先にすっとつながる雰囲気があるんです。
スムーズ。さらに、期待感さえある。
これも発信する人が本気かどうか
想いの違いが出るんですね。

昨日はまさに
会話の入りから軽快な運転手さんでした。
天気が荒れると
タクシーは忙しくなるとか
旬な話題を入り口に
会話が展開していきます。
あのスッと話しかける感じ
落語家みたいですね。自然。
長年の経験もあるんだろうなあ。

それでね
ああ、好きだなあって
思うことがあったんです。

「吹雪いたり寒波だったり
 まあたいへんだけど
 なんだかんだもうすぐ春ですよ」
って運転手さんが言ってね。

ぼくその意見、大賛成なんですよ。
北海道の冬は長いなんて聞くけど
1月も下旬にさしかかり
2月の声を聞いたら、
もうすぐ春なんですよ。
暦のうえでもそうだろうし、
目の前に雪が積もっていても
春はもう来ていると思うんです。
光が違うんですよね。
じょじょにじょじょに。

ぼくは冬も好きなんです。
生まれてずっとここで育ってきて
厳しさも含めて、美しさも知っている。

まだ、春じゃない。
もうすぐ春じゃん。
これって同じ事実なんですよね。

自分は後者のほう。
どっちを好むかは自由。
じっと備えている
街路樹の冬芽を見るのも乙なもんですぜ。

春あたり何してるかな?
今日もごきげんでありましょう。