FROM FRONT フロントより

あれ
これ、
ことわざみたいじゃない?

食器の洗い物を
片付けながら
そんなこと思ったんです。

ザル

ありますよね。
洗って、水切りして置いておくけど
ほかの食器より
ダントツで水が切れないんです。

穴がたくさんあることで
水との接地面も多いからなのかと
しみじみ、
ザルについて考えたんです。
それもムリないかと。

あ、うちのは
ステンレスのザルなんです。
わりと丈夫で
パンチングで開けたように丸い穴のタイプ。

それでね
まてよと。

ザルって
水はジャージャー漏れる、
溜めることはできない
けれど、水切りしにくいな。

つまり
水は救えないけれど
水切りもしずらい。

水は救えど、なかなか切れず、か……

いやこれ
なんかことわざみたいですから!
ギター侍みたいなテンションで
脳内、ひと興奮しました。

たすきになんちゃらみたいな
うまく言えてるやつの
ことわざっぽいけれど
完成度がいまいち低いむずむず感

水は救えど
ここまではよしとして
「なかなか」がふんわりさせている。
よし
これはどうだろう。

水は救えど、水切りにくし

にくしって。ぷ。

そんな脳内推考をくりかえしていますが
いたって
ふつうに台所作業をしています。

ま、そもそも
ただ、ザルの特徴を言ってるだけで
まるでなにか例えているような
雰囲気だけじゃないか。
というところに落ち着きつつ
言い得てない
言い得たいけれど
いまいちな未完成っぷりに
愛着を感じるのでした。

言い得て妙でもない。
言い得てなく微妙な
その誕生前みたいな
そのもどかしさのまま転がしていたい。

ことわざ?
でもない、やつ。
ちょっと集めてみたい気がします。
誰に言うわけでもなく。

今日もごきげんでありましょう。