drive 男は悩んでいた。悩んではいたが、クルマを走らせていた。つまりは、悩みを抱えながら、運転をしていた。軽自動車を。 目前の頼りないワイパーが、フロントガラスに叩きつける雨水をかきわけ、カーラジオからは、はしたないポップス... 2021.06.10 詩・小説
チャイニーズレストランにて 私は、怒らない。それは今もだ。野暮ったいお前が目の前にいる今もだ。朝からずっと、氷みたいな雨が降っているし、昨晩はコンビニで、強盗と間違えられた。部屋中を探しても、靴下の片方だけが見つからない。それでも私は気持ちを乱さ... 2021.05.01 詩・小説